心の土台を築くとき

 

  夏休み、本宿小学校の校庭で開催された夏祭り (正式名称は 「本宿小開校60周年記念 本宿地区盆踊り」 ) の場で私は嬉しい言葉を聞きました。

 

  「相愛幼稚園のお母さんは子どもの買い物を待ってあげられるお母さんですね〜。」

 

  8月18日・19日と行われたお祭りは、盆踊りの他にも 「焼きそば」 「焼きとり」「ポップコーン」 「フランクフルト」 「かき氷」 など、子どもたちの喜びそうな多くの出店があって、たくさんの人たちで賑わっていました。
 その中のひとつ、 “駄菓子屋さん” は、相愛幼稚園卒園生母親有志 (彼女たちは 「相愛幼稚園白ゆり会」 と名乗っている) による出店でした。白ゆり会のメンバーは預かり保育スタッフの高木須磨子さんを中心に集まった、子どもの学年も住まいの地域も (南町、東町…など) 違う方々ですが、ここ数年、毎夏、本宿小のお祭りのときに “駄菓子屋さん” をしてくださる相愛幼稚園保護者OGの皆さんです。

 

 さて、私が前述の言葉を聞いたのは、二日目のお祭りも終わりに近づいた頃でした。

 

 たくさんの親子が駄菓子屋を訪れ、買い物をする姿を間近で見ていた “白ゆり会” のお母さんたちですが、 「相愛幼稚園に通っています…」 と言って店先に立つ親子には共通点があると教えてくださったのです。
 それは、 「駄菓子を見て、どれを買おうかとじっくり考え、選んで買う子ども。そして、その様子に 『早く決めなさい』 と焦らせたり、 『これがいいんじゃないの?』 などと子どもの選ぶ楽しみを取り上げたりすることなくじっくりつきあう親」 という共通点。
 子どもに時間を充分に与え、子どもの選びに対して、親は 「それが欲しいのね」 と受けとめ、認める対応。それは、子どもの存在を認めることであり、その存在を優しく包むことを意味します。

 

  このような親子のやりとりを通して、子どもは自分への確かな自信や自己肯定感、そこから導かれる物事への意欲という幼児期に育てたい心の育ちに必要な土台を築いているのです。

 

  私が嬉しいと感じたのは、相愛幼稚園に通う親子たちの駄菓子屋の店先での光景とそれを肯定的に温かいまなざしで見守ってくださるOGのお母さま方の存在です。

 

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 二学期が始まります。
 一人ひとりが心の土台をしっかりと据えて、周りを信頼し、周りと共に生きることを喜びとする心を持った子どもに育ってほしいと願いつつ歩む保育の営みでありたいと思います。

〔 園長 佐川 曜子 〕