寒さの中の二月

 

  1月末から2月はじめが一番寒い時期ですが、ことしは特に寒い日が多いようで、本格的な雪の日を見られるかもしれません。
 最近は家の中が夏は涼しく、冬は暖かく、外も温暖化で気温が下がりきりませんので、この寒さは貴重なことです。わたしたちは、せっかく四季のはっきりしたところに生まれたのですから、寒さを体でしっかりと受け止めたいと思います。子どもたちは今日も外で元気に遊んでいます。自然の暑さ寒さは体で感じることですので、特に、幼児期の子どもたちにとってこの寒さの中にあることは大切なことと思います。

  子どもたちは生まれてから今日まで、寝ること食べることにはじまって、実にたくさんのことを経験して育ってきています。それもほとんどがはじめてのことといってよく、幼児期は「はじめて」ということを経験する毎日と言ってもよいでしょう。「はじめてのこと」に出会うときに、子どもは「自分に出会う」という、もう一つの経験をしています。
 子どもは虫が好きですが、見ているとき、そこに自分の世界があるようです。どきどきしている自分がそこにいるのです。

  また、お母さんに叱られながら何で叱られているのか分からないで、お母さんの後をついて歩いている子どもを見ることがよくあります。お母さんにはどうしても教えておきたいことがあるのでしょう。そのとき、子どもは叱られているそのことと、一番大切なお母さんと叱られている自分と向かい合って、なんだかよく分からないで泣いています。このとき子どもが経験している一番大切なことは、全部をひっくるめて自分と向かい合っていることでしょう。子どもどうしの喧嘩もほとんどが同じ経験をしているといえます。そんなことをたくさんして幼児期に、「わたし」が育っていきます。この自己形成が幼児期の成長にとって、最も大切なことではないでしょうか。

  しかし、これらの幼児期の経験はちょうど食べ物が吸収されてその子の身体を造っていくように、経験も吸収されてその子の心身を造っていきますので、ほとんどのことは忘れられて、「大きくなったねえ」の一言で成長した「わたし」をみて喜ぶことになります。すべてのことは、「わたし」の中にあるのです。子どもたちの中に、何よりも、この「わたし」が育つことを願います。

  今は冬です。体が経験している冬の寒さにあたる子どもたちの心の経験を大切にしたいものです。その中で、子どもたちは元気に遊んでいます。
 子どもたちの健やかな成長を祈ります。
 水仙の花が春がそこまで来ていることを知らせてくれています。

〔 理事長 長山 恒夫 〕

 

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1月24日 雪の園庭で遊ぶ子どもたち