7月1日は武蔵野相愛幼稚園の創立記念日です。今年で創立75周年を迎えました。
その歴史は、1935 (昭和10) 年10月10日、幼稚園の創設者である白石多幸牧師とトク夫人が吉祥寺2292番地を幼稚園敷地と定めて、礼拝し、新約聖書 「ヨハネの手紙Ⅰ」 4章7節を交互に読み、祈ったところから始まります。
翌、1936 (昭和11) 年4月1日に武蔵野相愛幼稚園は開園し、30名の園児が入園しました。太平洋戦争末期に空襲を受け、園児の安全確保が難しくなったときに三年間休園した期間もありましたが、75年の間に卒園生の数は3038名になりました。
ところで、6月初めに子どもたちと作った梅ジュース。いよいよ飲み頃になりましたので、6月30日、午前中の遊びを終えた全園児がホールに集まり、幼稚園の創立75周年を祝って、梅ジュースで乾杯しました。
「梅ジュースはいつ飲めるの?」 と作ったときから首を長くして楽しみに待っていた子どもたち。その日がついにやって来たのですから、大喜びでした。
そして、私もこのとき、“今年の梅ジュース” に特別の感慨をもって乾杯を
しました。
なぜならば、今年の梅ジュースを作った梅は、お店で買った梅だけでなく、相愛幼稚園が始まった年に入園した一回生、高槻秀雄さんのお宅の庭の梅の実と75周年を迎える今年の春に入園した七十二回生、Mちゃんのお宅の庭の梅の実がその中に入っていたからです。それは、脈々と流れる歴史のつながりを感じさせる味わい深い梅ジュースでした。
そうして、午後からは理事長の長山恒夫牧師が 「相愛幼稚園の誕生日」 と題して説教をしてくださり、創立記念礼拝を守りました。
さて、相愛幼稚園に脈々と流れているもので、最も大切なものといえば、それは、建学の理念である 「相愛の精神」 です。
「 愛する者たち、互いに愛しあいましょう。
愛は神から出るもので、愛する者は皆、
神から生まれ、神を知っているからです。」
〔ヨハネの手紙Ⅰ 4章7節〕
相愛幼稚園第三代園長である黒田成子先生は、「武蔵野相愛幼稚園五十年史」の巻頭言に次のように記しています。
「創立者たちが抱いた相愛の精神はどのように世が変わっても不易のものとして遺されていくと思うのです。幼い日に相愛で育まれたものが次の世にも伝えられていくことを願う者であります」 と。
私も同感です。
武蔵野相愛幼稚園はこれからも地域に根ざし、神と人とに愛される幼稚園、人と人とのつながりを大切に歩む幼稚園でありたいと願っています。
〔 園長 佐川 曜子 〕