見えないものに目を注ぐ

 

 昨年度、3月11日の大きな地震以降も相愛幼稚園では休園したり、短縮したりすることなく保育を続けました。
 幸い、園舎の損傷もなく、園児たちは遠方からの通園者でも自転車で来られる距離の子ですから、子どもたちには出来るだけ今までの園生活を保障してやりたいと考えたからです。
 幼稚園では園児の安全を最優先し、節電を心がけ、被災された方々や地域を覚えて子どもたちと共に祈る毎日でした。

 

 そうして、迎えた3月17日の第72回卒園式。
 一週間前に起きた大地震や津波によって多くの人たちが失った命に思いを寄せ、今年の卒園式では、次のようなメッセージを卒園生におくりました。

「 ばら組の皆さん、卒園おめでとうございます。
一週間前に大きな地震が起こり、津波も起きてたくさんの人たちが命を亡くしました。
皆さんは “ いのち ”ってどのようなものだと思いますか?
“ いのち ”は目に見えませんね。
だから、どんな形をしているとか、何色だとか言えません。
聖路加国際病院の日野原重明先生というもうすぐ100歳になるお医者様は全国の
小学校で 『 いのちの授業 』をしています。

その中で先生は、『 いのちとはあなたたちの使える時間ですよ 』 と教えています。
自分で使える時間…。 どのように使いますか?
何に使うか考えるのは楽しいけれど、難しい問題ですね。
皆さんは幼稚園で何をしようか考え、自分で決めて、
たくさん遊んで過ごしてきました。
幼稚園を卒園しても、同じように時間の使い方をよく考えて、自分で決めて、
責任をもって( 人のせいにしないで )、使える時間を大切に過ごしてください。
自分のいのちが大切なように、家族や友達、他の人のいのちも大切なことを
忘れないでね。
そして、自分のためだけに時間を使うのではなく、人のためにも時間を使える人として大きくなってください 」

 

 

 卒園生を送り出し、4月になって、進級と入園のときを迎えました。
 今年度は、
    「 信じる ─ 見えないものに目を注ぐ ─ 」
               〔 新約聖書  コリントの信徒への手紙U 4章18節  〕
  の年主題を中心に保育が進められます。                                                            


 “ 愛 ” も “ いのち ” も CIMG9441.jpg
  “ 時間 ” も “ 空気 ” も
  “ 神さま ” も 大切なものは目に見えません。
  けれども、私たちは見えないものに目を
  注ぎ、信じて歩むのです。

 

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 「 相愛 」 の名のもとに集められた子、親、保育者。関わりあう一人ひとりに神さまの温かいまなざしが注がれ、その愛の中で安心して過ごし、共に生きることを喜び、育ち合う一年でありますようにと願っています。

〔 園長 佐川 曜子 〕