絵本「とんでいけ 海のむこうへ」            

クリスティーナ・ロセッティ 詩    バーナデット 絵     高木あきこ 訳   

の中につぎのような詩があります。          

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    もし 雨の日ばかりで                  
      おひさまがでなかったら
        丘のうえに虹はかかりません
    もし はれた日ばかりで                   
      雨がふらなかったら                   
        やっぱり 虹はかかりません    

 爽やかな5月が過ぎ、6月も半ばになるとそろそろ入梅。梅雨明け宣言は7月20日頃に出されることが多いので、今月半ばから一学期の終わりまでは「雨の季節」と言えます。

 雨の日の登園は大変です。園児一人を連れて来るだけでも大変なのですから、小さい赤ちゃんを連れている方や遠方から通園の方はなおさらでしょう。

 雨降りというと思い出す親子がいます。
 Hさんは相愛幼稚園の保育を気に入ってくださり、第一子卒園後、しばらくしてから生まれた下の子も「ぜひ、相愛幼稚園に!」といって入園なさった方でした。家は幼稚園から近距離とも遠距離ともいえない中距離ほどの所にありました。
 このお母さん、とても人柄は良いのですが、雨降りにめっぽう弱く、雨が降ると娘のTちゃんを欠席させるのです。雨の朝は必ず、Hさんからの欠席届の電話が鳴りました。年少、年中時代はずっとそうでした。
 しかし!

 Tちゃんが年長に進級したばかりの雨降りの朝のことでした。Tちゃん親子が遅刻しながらも玄関に立っているではありませんか!
 私は嬉しい驚きでいっぱいでした。ママは苦笑しながら「『絶対休まない!!』ってこの子がいうものですから…」と言いました。
 私は「そうですか。雨の中を大変でしたね。」と労い、Tちゃんを迎え入れながら、心の中で   「Tちゃん、よく言った!」と叫んでいました。
 「昨日の遊びの続きを今日もしたい」とか、「今日はクラスのみんなと○○をする日だもの」    “雨降りだから幼稚園を休むなんてイヤ!”とTちゃんは思ったのでしょう。
 年少、年中の頃、お母さんの言うままに欠席していたTちゃんもしっかり成長していたのです。

 さて、先日、水曜日の午後、雨降りの中を「たまごの会・親子クラス」にやって来たお母さんに「足元の悪い中、大変でしたね」と声をかけると「はい。でも、ここに来ると楽しいですから…」と雨の季節を前に嬉しい返答をいただきました。

 たとえ、雨降りの朝であったとしても、「楽しいから行こう!」と親子で向かえる幼稚園への道のりでありますようにと願っています。

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  P.S.

       かくいう私も、先日仕事帰りに立ち寄った

       デパートの傘売り場に飾られていた傘が

       目に止まり、即、 購入! 

       傘の縁の部分が色とりどりの傘を見たとき、

  「この傘をさしたら、

  雨の日が楽しくなりそう!!」と。

                        雨の日の沈みがちな心を奮い立たせようとして

                  いるのは他ならぬ私自身なのかもしれません。

〔 園長 佐川 曜子 〕 

武蔵野相愛幼稚園

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