2009年11月、誕生日を迎えたⅠ先生に年長・ばら組のYちゃんからバースデーカードが届きました。
誕生日のお祝いの言葉と共に
「きょねんの クリスマスれいはいにでられなかったのは なくほど
くやしかったです。
だから こんどは ぜったい でたいです。
やくは てんしか ひつじをやりたいです。」
と書かれていました。
この言葉からもわかるように、幼稚園の生活を重ねてきた子どもにとって、楽しみにしている行事の行われる日に欠席するのはとても残念なことなのです。 Yちゃんは年長の今年度、待降節(アドベント)に入ると微笑ましくも涙ぐましいほどの努力をして、自身で万全の体調管理を行い、クリスマス礼拝の日を迎えました。そうして、ページェントでは天使になってイエスさまの誕生を祝いました。
一方、11月27日の第一アドベント礼拝を妹の病気のために欠席しなければならない年中・すみれ組のRくんがいました。楽しみにしていただけにRくんにとっては残念でしたが、この日、幼稚園での礼拝開始時刻に合わせて、Rくんのお家でもローソクにあかりを灯し、「アドベントクランツに」の讃美歌をうたって、祈りを捧げていたというのです。
自分のことではなく、妹の病気のために礼拝に出席できない息子の気持ちを推し量って、家庭礼拝の時間を用意してくれたRくんのお母さんの愛の行為に深い感動を覚えました。そして、このように愛情深く、心を大切に育てられた子どもがすべての人たちに愛をもって接することのできる、平和をつくり出す人になるのだと私は信じています。
クリスマスによく読まれる「くつやのマルチン」の話はロシアの文豪、トルストイの作品ですが、この物語の原題は「愛あるところに神あり」です。 私たちは神さまと出会いたいと願います。しかし、私たちが愛の行いを為すとき、そこには必ず神さまがおられるのです。身近な人に対する小さな愛のわざこそ、神さまが喜ばれることなのです。
「もっとも小さい者の一人にしたのは、
わたしにしてくれたことなのである」
(マタイによる福音書25章40節)
新しい年を迎えました。
〝愛あるところに主がおられます〟を一人ひとりの心に刻んで今年も歩んでまいりましょう。
〔 園長 佐川 曜子 〕