「相愛」の精神

 

  1938年(昭和11)年、入園児30名と共にスタートした武蔵野相愛幼稚園は、2009(平成21)年に創立73周年を迎え、その間に2993名の卒園生を送り出しました。
 創立の頃からある庭の藤の木は今も健在で、藤棚の下の砂場では子どもたちが穴を掘ったり砂山を作ったりして遊んでいます。

 

 一方、みんなに愛されてきた創立時の木造園舎は1975(昭和50)年頃になると園児が飛び跳ねるとホール全体が揺れるほど老朽化が顕著になってきて、園舎を建て替えることになりました。
 設計は当時の園長であった黒田成子先生の友人でICU(国際キリスト教大学)助教授吉岡元子先生の夫君、吉岡亮介氏に依頼しました。

 吉岡氏は1979(昭和54)年に落成した新園舎(現在の園舎)について「相愛幼稚園五十年史」の中で次のように記しています。
 『武蔵野相愛幼稚園は過去五十年の永きにわたり、一貫して「互いに愛しあおう」というキリスト教の精神と「幼児の教育は彼らの自発的な遊びの中で為されなければならない」とする幼稚園の始祖、フリードリッヒ・フレーベルの思想に基づいて、小規模で質の高い保育を行っている日本では数少ない幼稚園のひとつです。

 このような幼稚園にふさわしい園舎として園児たちを温かく抱擁するような、外は堅固だが内側は子どもたちの肌にやさしい建物にしたいと考え、また、内部空間は彼らの自由で独創的な遊びを誘発するような、興味深く、伸び伸びとした空間にしたいと考えました。 ……(中略)
 この建物が今後永きにわたって真に生き生きとした子どもたちを育てるお役に立ち続けることができれば設計者として感謝のほかありません。』

 

 現在の園舎が出来て、今年でちょうど30年。
この園舎で過ごした園児が親となり、子どもを送迎する姿も見られるように
なりました。
 木造園舎時代も現園舎になってからも大勢の子どもや親、教師が相愛幼稚園で出会い、育まれ、巣立っていきました。
 時の流れと共に人や物は移り変わっていきます。庭の藤の木も老木になります。しかし、創立時から今まで、そして、今後いつまでも変わらず、その中心にあるのは建学の精神である『相愛』です。

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 「愛する者たち、互いに愛し合いましょう。
  愛は神から出るもので、愛する者は皆、
  神から生まれ、神を知っているからです。」
         〔ヨハネの手紙T 4章7節〕

     ― 祈り ―
  神様に愛されている私たちです。
私たちも互いに愛し合いつつ、生きていく者にして                                  ください。

                   〔 園長 佐川 曜子 〕