夏休みに入る前、一学期の終業礼拝では、相愛幼稚園創立70周年記念講演会で講師の市橋さらさんから聞いたアフリカ・ケニアの子どもたちの話をし、こどもさんびか「せかいのこどもはおともだち」を歌いました。

 そして、7月14日(金)の礼拝でささげた献金は「ケニアのコイノニア幼稚園の子どもたちに送りましょう」と言いました。

 すると、「先生、献金を送ってあげても、欲しい物を買うお店ってケニアにあるの?」と年長・ばら組の女の子がその場で質問してきました。

 講演の日、市橋さらさんと共に来園した養子のノア君と一緒に幼稚園で遊んだその子が、ノア君の住むアフリカのケニアという遠い外国のことを想像し、思いを巡らせて素朴な質問を投げかけてきたのです。

 私は、この子のような感性がこれからの時代を生きていく人たちにとって大切なものであると強く思います。 

 ケニアでは貧富の差が激しく、お金持ちは外車を何台も所有し、子どもたち一人ひとりにお手伝いさんをつけているという暮らしぶりです。それにひきかえ、スラムの子どもたちはトタンの家に住み、電気、ガス、水道はもちろん、毎日食べるものにも事欠く生活をしています。ほこりと汚水、ゴミなどの混じったなかで生きるのに精一杯です。

  ナイロビというひとつの街に住みながら、違う世界で生きている子どもたちなのです。 

 この夏、長崎の地で開催された教師研修会に出席し、原爆の脅威や被害について学ぶと共に、一方で日本人がその時代、特にアジアの人々にしてきた加害の歴史を学んだ私は、「平和」の意味について深く考えされられました。

 子どもたちには、さまざまな機会を通して、相手の立場に立ち、自分だけが良ければという考え方ではなく、まわりの人々のことを思い、愛しあい、助け合って生きる人として育って欲しい、世界のどこにいても、違いを持った人々と共に生き、平和を生み出す人となって欲しいと願っています。

 ケニアから距離的には遠い国、日本。でも、相愛幼稚園の園児と保護者の皆様と保育者が心を込めてささげた献金とその気持ちはしっかりとコイノニア幼稚園に届けられることでしょう。 

 この夏休みは、心痛む事故や事件が連日のように起こりました。子どもたちが育つこの世界が平和であることを祈るばかりです。

〔 園長 佐川 曜子 〕

武蔵野相愛幼稚園

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