ともに生きる・ともに育つ

 

 先月(2009年3月)、二十歳の男子学生Y君が教育実習にやってきました。                

 Y君は相愛幼稚園の卒園生です。

 実習前オリエンテーションの折、私が 「幼稚園の頃のこと、覚えてる?」と尋ねると、「それが、ほとんど覚えていないんですよ」と申し訳なさそうに答えていた
Y君でしたが…

 土俵マットの上で相撲を取る園児たちを見て、
「懐かしいなー」と言ったり、編み物をしている子どもたちを見て、「先生、僕もこの織り機を使って編み物をしました。作品はまだ家にあります」とか、少しずつ幼い日の思い出がよみがえってきたようでした。

 

 そして、実習最終日、
「母親がどうして相愛幼稚園を選び、遠いところ(杉並区宮前5丁目の家)から僕を自転車に乗せて通わせたのか、わかる気がします」と挨拶をして帰っていきました。
 15年前、園児として通っている頃は当たり前≠フ園生活だったのでしょう。けれども、大人になって、それも保育を学ぶ身として幼稚園に帰ってきたY君は懐かしさと共に相愛幼稚園に通わせてくれた親の選びに思いを巡らせ、感謝することの出来る青年に育っていて私は嬉しい限りでした。


 新年度の保育が始まります。
 目に見える効率の良さのみが求められ、子どもの生活が大人の都合で左右されることの多い慌ただしい現代社会の流れの中にあって、相愛幼稚園はいつの時代も子どもにとって最も望ましいと思われる環境を保障していきたいと考えています。
 朝はお家の方と一緒に幼稚園まで登園し、お昼になったらお家の味のお弁当を食べ、帰りの時間になればお家の方が幼稚園まで迎えに来て下さる。そして、遊びたいときには母親の見守る中、午後の園庭で遊んだり…。                                                 この生活は相愛の子どもたちにとってはごく当たり前のことかもしれませんが、彼らが大きくなって広い世界に出たとき、それが決して当たり前のことではなく、幼い日に手と心をかけて大切に育てられた喜びを実感するときが来るでしょう。

 

 もちろん楽しいばかりの園生活ではありません。毎日の生活の中では悲しいことや辛いこと、嫌なことや痛いことも経験します。しかし、この一見マイナスとも思える出来事にも避けることなく共に向き合い、乗り越え、くぐり抜けていく力をつけていきたいと思います。 2007-10-11 13-16-3348.jpg


 保育参加後の感想や卒園の時の言葉に
 「私が相愛幼稚園の園児として過ごしたかった」とおっしゃってくださる方があります。園児はもちろんのこと、幼稚園に関わるすべての人たちがそのように感じる幼稚園でありたいと願っています。

 さあ、喜びと希望に満ちた新年度をスタートいたしましょう。

                  〔 園長 佐川 曜子 〕