2月21日(木)午前11時15分から武蔵野相愛幼稚園のホールで、図書係のSさん書き下ろし脚本による人間劇「おおきなかぶ」が上演されました。
図書係のメンバーがそれぞれの役に扮し、“おおきなかぶ”を引っ張るのですが、ロシア民話の原作と同じなのは「おじいさん」だけで、他は、
「ばばばあちゃん」 「赤ずきんちゃん」
「どろんこハリー」 「だるまちゃん」
「そらまめくん」 「ぐりとぐら」
「ねぎぼうずのあさたろう」
と、子どもたちの好きな絵本のキャラクター総出演の物語でした。
そして、この私も「園長先生」役として友情出演の誉れに与りました。
私の出番は最後の最後。みんなでかぶを引っ張っても抜けないところ、筋の曲がった悪者には勇気のねぎ汁ぴゅるるっととばす、畑生まれの正義の味方、三度笠をかぶったねぎぼうずのあさたろうに懇願され、教職一筋で生きてきた園長が、躊躇しながらも一大決心をして畑に出向き、
「うんとこしょ どっこいしょ」とみんなで力を合わせて引っ張る役どころ。
すると ―― おおきなかぶは見事に抜けて、
めでたし、めでたし!!
約20分のこの劇に園児も保育者もお話の世界にどっぷり浸り、大いに楽しみました。
つづいて、お弁当の時間にはYさん手作りの“かぶの浅漬け”が振る舞われました。
ところで、上演を間近に控えたある日、最後の打ち合わせに見えた脚本家兼演出家のSさんは、 「出来ばえはともかくとして、作り上げていくまでの過程が楽しかったから……」
とおっしゃいました。
私はこの言葉を聞いたとき、保育の営みの中で大切にしている視点は、母の会・係活動の中でも生きていることを感じ、大変嬉しく思いました。
そうして、迎えた上演当日。
出演者一同が気持ちを合わせ(時には意見の違いもあったことでしょう。でも、一つひとつ、話し合いながら折り合いをつけて乗り越え)作り上げたこの人間劇は、演じる者一人ひとりの個性が輝く本当に素晴らしいものでした。
「あったらいいな 武蔵野相愛幼稚園附属小学校」
これは、卒園を控えた年長児のお母さんが広報誌に寄せてくださった言葉です。大きい(上級)学校の附属と言わない発想がいいですね。 学校教育のはじめの一歩、幼稚園で培った力は人生を支える力です。子も親も毎日の生活を通してその力をつけてきたのですから、自信をもって新しい春を歩み出しましょう。
〔 園長 佐川 曜子 〕