年中・すみれ組のYくんのお母さんのお腹には赤ちゃんがいます。O家の4人目の子どもで、出産予定日は来年の1月です。夏休み明け、9月の初めは元気にYくんの送り迎えをなさっていたお母さんですが、数日後、お医者様に検診していただくと「以後、出産の日まで安静に過ごすように」と言われました。
 さて、それからのママは外出禁物はもちろんのこと、家でも動くことはままならない日々となりました。
 家のことはお仕事の忙しいパパも大奮闘、実家のおばあちゃんやヘルパーさんの助けも借りながら毎日を送っています。
 しかし、そんなとき、一層の力を発揮するのが相愛幼稚園のお母さんたちの連携です。
 毎日の送迎はYくんと同級のすみれ組のお母さんが引き受けてくださり、お弁当作りはYくんのお兄ちゃんMくんと同級だった去年のばら組のお母さんたちが順番で作って、毎朝届けてくださるのです。
 ですから、Yくんの幼稚園生活は今までと変わりなく保証されています。
 この相愛幼稚園のお母さんたちの見事な連携にOさんの実家のお母様は「今どきの幼稚園でこのようなところがあるのね」と感動し、感謝していらっしゃるそうです。
 O家の場合に限らず、今までもさまざまな場面でこのような助け合いは見られることでした。
 相愛幼稚園ではごく自然に、伝統的に母たちの連携が育っています。

 先日、来年度の入園を控えた子どものお母さんが幼稚園の見学にいらっしゃいました。その方は小学一年生の長女、来春入園の長男、そして、生まれて間もない次男と三人の子どものお母さんで、“子育てだけでも大変なのでは?”と思いますが、「長女の通う地域の小学校で生き生きと積極的に活躍しているのはお子さんが相愛幼稚園出身のお母さんが多いのです。素敵ですね。子育てには母親たちの関わりが大切ですから」とおっしゃって幼稚園の雰囲気を好意的に受けとめて、評価してくださいました。

 ”子育て支援”といえば園側からは「何かをしてあげる」、親側からは「サービスを受ける」という構図を描きがちですが、相愛幼稚園の母たちの人間関係力や自発的な連携、そして、その関係を育める幼稚園の環境こそ誇るべき子育て支援であり、誇るべき園の文化であると信じます。

 〔 園 長 佐川 曜子 〕

武蔵野相愛幼稚園

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