運動会も終わり、季節はもうすっかり秋ですね。行事の多い二学期ですが、あっという間にクリスマスがやってきます。クリスマスは、そう神の子イエス様が母マリアと大工のヨセフの長男としてお生まれになった日です。

 ところで皆さんは、イエス様がどんな子どもだったか、考えたことがありますか? 実は、聖書が子どもの頃のイエス様について書いているのは、たった一箇所だけ、「神殿での少年イエス」(ルカによる福音書2章41節‐52節)という箇所です。

 12歳になった少年イエスが両親に連れられてお宮参りをしました。ところが参拝を終えて帰る途中、両親は息子イエスが一緒にいないことに気づき、あわてて神殿に引き返します。三日の後、息子が神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしているのを見つけた両親は驚き、母マリアが言いました。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」それに対し、少年イエスは「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか」と答えます。  こんなやり取りを聞くと、「さすがイエス様! やっぱり神の子は文字通り神童だなあ」と思われるかもしれませんね。でも、本当に少年イエスは他の子とは全く違う子どもだったのでしょうか?

 最初のクリスマス、確かにイエス様は神の子としてユダヤのベツレヘムでお生まれになりました。聖書に、「マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた」とあります。少なくともこの記述では、他の子どもと何ら違わない赤ちゃんの姿が描かれています。

 以前、「人間はどこまで動物か」という本を読んで感動しました。他の哺乳動物に比べて、人間の赤ちゃんは最も弱い部類に属するというのです。山羊や馬たちは、生まれるとすぐ走り出しますが、人間の赤ちゃんは目も見えず、歩くことも出来ません。全部両親や周りの人たちの愛に依存しています。でも神様はそのように人間を造られたのです。愛されて生きることが最も大切だということを知ってもらいたかったからです。ですから神の子イエス様も、ごく普通の赤ちゃんとして布にくるまれ、両親と人々から愛されて育ったのです。

 そうそう、聖書によればイエス様には弟が四人と妹が二人以上いたようですよ。きっと大家族の中で両親のためによく働き、弟妹や近所の子どもたちの面倒もみたことでしょう。でもやっぱり、我が家同様、兄弟げんかもしたんじゃないかな。

〔 相愛教会牧師 真壁 巌 〕  

武蔵野相愛幼稚園

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