行事と子ども

 

 「あー、明日の礼拝、たのしみ!!」と家族礼拝の前日、お弁当を食べ終え、園庭で遊んでいた年中・すみれ組のYちゃんは傍にいた私に笑いながらそう言いました。
 ちょうど一年前の年少一学期、よく泣いていたYちゃんがそんなことを言うなんて―と思いつつ、私も微笑みながら「そうね、私もたのしみ!」と応えました。

 

 “行事”は子どもたちにとって特別の日です。
 初めての行事に対しては、どの子も(親も?)多少の緊張や不安を伴うものです。特に大きな気持ちの揺れもなく、楽しみにその日を待て、その時を楽しんで過ごせるようになるには、やはり経験を重ねることが必要です。

 

 さて、Yちゃんの楽しみに待っていた「家族礼拝」は、6月14日、梅雨の晴れ間、爽やかな風の吹く土曜日の午前中に行われました。この日は、お父様かお母様、お家の方と一緒に礼拝を守り、それに続いてお楽しみの会を行いました。

 

 礼拝後のお楽しみの会では初めに各クラスの子どもたちが歌をうたいました。
 年長・ばら組は子どもたちの大好きな歌、「あおい空に絵を描こう」。
 ニコニコ顔で歌う子、元気に歌う子、少しはにかんだ表情で歌う子、一人ひとりの顔と歌う声を聞いていると、入園してから今までのそれぞれの子の育ちが私の頭の中でグルグルと巡りました。どの子も本当に大きくなった、たくましくなったと私はまるで卒園式のときの感覚に近い、嬉しくも感慨深い気持ちで聞いていました。

 

 年少・ひよこ組の子どもたちは「かたつむり」を歌いました。
 一生懸命歌っている子、みんなが立って歌っているのに座ったままでいる子、立っているけれど口を動かさない子、声を張り上げて歌っている子など、こちらは実に年少らしい姿でした。
 幼稚園に入園して2カ月。4月当初の緊張もほぐれ、幼稚園の生活の流れにのって一日を過ごせるようになってきた年少組の子どもたちにとって「家族礼拝」は、五月の遠足に次ぐ、“行事”でした。
 この日は、一度家を出てからトイレに戻ったために遅刻した子、パパが休暇を取ったのに「ママと行く」と言ってママと来た子、園児席にパパも一緒に座ってほしいと言って泣いた子、先頭で入場したかったと言って泣いた子……など、エピソードが盛りだくさんのひよこ組でした。
 私はこのひよこ組の子どもたちがこれから日々の生活を丁寧に積み重ね、季節の行事を経験していくことで、Yちゃんのように行事を楽しみに待て、ばら組の子どもたちのように生き生きと歌う日の来ることを楽しみに想像しつつ、会を終えて帰っていく親子を見送りました。

〔 園長 佐川 曜子 〕