心新たにして
2025年度の保育が始まりました。相愛幼稚園の園児、ご家族の皆様、入園及び進級を心新たにして希望でいっぱいの4月を迎えたことでしょう。
70数年前には私も入園式に臨んだことと思いますが残念ながら思い出すことが出来ません。
腕白で元気に過ごした幼稚園時代だったでしょうが、私の記憶では小学生時代のほうが印象的でした。今でも懐かしく思い出される大好きな担任の先生との旅行経験があります。
1人目の先生は2年から4年の担任の先生で、実家がある羊蹄山のふもとの真狩村への旅行です。羊蹄山は、高校・大学の時代に訪れるスキーで有名なニセコ比羅夫ゲレンデの対面に位置している雄大で憧れの山です。真狩村の周りは丘陵地帯でホワイトアスパラ畑があったりして自転車を借りてその雄大な景色を堪能しました。
2人目の先生は5年生の時で、先生のお兄さんが経営している新冠町の牧場に連れて行ってくれました。牧場の馬は競争馬で得意になって御していたことを思い出します。近くの牧場地の中にアイヌ人やギリヤークの人達が残した矢尻や土器が残っていて、見つけたときはお宝発見の心境でした。帰りには地元の小学生の人からも矢尻をプレゼントしてもらい今となってはお宝となっています。また、この時の先生はクリスチャンで、我が家でのクリスマス会等家族ぐるみのお付き合いでした。先生は東京の美術大学を卒業してから教職の勉強をして小学校の教師になったというユニークな先生でした。私のほうは美術のほうのセンスがなかったのか先生からは褒められた記憶はありません。
3人目の先生は6年時の担任でまだその時は独身でしてので、友達とよく先生の家に遊びに行ったりしていました。6年の卒業式の前の2月頃、今では有名になった札幌雪祭りに連れて行ってもらいました。1泊2日で先生のお兄さんのアパートに泊めてもらい、たっぷりと雪祭りを堪能してきましたが、どういう訳か思い出すのは3人が布団を引いて寝たときの情景で、雪祭りの雪像はからっきし思い出せません。
その後、中学生となってから先生は結婚したので、遊びに行くことは我慢しなければなりませんでしたが、年に何回かは押しかけたものです。
担任とここまで関わりを持てたことは、70年前の田舎の小学校だからかも知れません。人生の根っこの部分でしっかりと根を張り巡らすことが出来ました。
相愛幼稚園の教師は、私の小学生時代の先生方と同じぐらい一生懸命で明るく愛情豊かで一人一人の子供たちと向き合う保育に力を注いでいます。
それは保育者が見えない力に支えられ神様の愛を受けて、子供たちの前に立とうとしているからです。そんな相愛幼稚園の日々の保育は素晴らしいと誇りを感じています。
大人も子供も喜びを持って登園して何気ない毎日をどうぞたっぷり楽しんで下さい。
〔 理事長 片桐 牧雄 〕

「 沖を漕ぎ出して綱を降ろし、漁をしなさい。」
( ルカによる福音書5章4節 )