「想像する力」は神様からの贈り物
11月の下旬、アドベント(待降節)に入ると、年長・ばら組は、讃美歌をうたい、台詞を言い、時代背景を考え、登場する役柄の心情を考えたりしながら、クリスマス礼拝で捧げるページェント(降誕劇)」に向けて毎日準備を重ねてきました。
たとえば、ある日の「宿探し」(長い旅路の果てに、ヨセフとマリアはやっとベツレヘムに到着し、その晩泊まる宿を探す)の場面での子どもたちの会話です。
A たくさん歩いて疲れているから、そんなに元気よく「トントントン、今晩一晩泊めてください」って、
宿屋さんに言えないよね。
B それに、宿屋さんは、おなかの大きいマリアさんを見て、「うちはもう満員です」って、言うとき、
「ごめんね(申し訳ない)」っていう気持ちだと思う。
C 馬小屋もいっぱいだったら、どうしたんだろう?
D ヨセフは、大工さんだから泊まるところを建てたらいいんじゃない?
E 建ててる間に赤ちゃんが生まれちゃうよ。
自分が演じ、表現するシーンに思いを馳せ、想像力を働かせ、意見を交わすばら組の子どもたちの成長を前に、私はこの日、この場に立ち会えたこと、この子たちと共にクリスマスまでの日々を過ごせる喜びを嬉しく思いました。
そして、クリスマス後、ひとりのお母様が今年のクリスマス礼拝の感想と来年のクリスマスを想像しての楽しみな思いを寄せてくださいました。
「昨年は羊の出番の時に『やらない』と泣いていたので、今年はどうかな? と思いましたが、年中・すみれ組の皆としっかり星の役になっていて成長を感じました。
年少・つぼみ組の自由な羊さんを、年長・ばら組の羊飼いが誘導し、元の場所に戻るように促す姿を見て、昨年の我が子とその時に誘導してくれた、ばら組の羊飼いの姿を思い出していました。こうやって、毎年、ばら組の子たちがそれぞれの役割を担ってくれているのだと感動しました。
昨年、泣いていた我が子が今年は何事もなく、星をしたように、来年は今のつぼみ組がすみれ組になって、「昨年はこうだったけど…」と成長を感じるのかな、そして、今年のすみれ組の皆がばら組になって、どんなページェントになるのかなと楽しみになりました。」
「想像力は知識よりも重要である」とは、アメリカの物理学者、アインシュタインの言葉ですが、「想像力」は、神様が人間だけに備えてくださった能力です。想像力があるから、絶望することもあるのですが、希望を持てるのです。
新しい年も一人ひとりが想像力を働かせ、積極的に、前向きに、自主的に歩むなら、どんなに喜ばしく、豊かな年になるでしょう。
本年もよろしくお願いいたします。
「 受けるよりは与える方が幸せである。 」
( 使徒言行録20章35節 )