スイートポテトはひとつなの?

 今年も実りの秋を迎え、11月20日に収穫物を捧げて収穫感謝礼拝を行いました。
 礼拝は、高屋主任教諭の自宅のプランターで育てたサツマイモの話を聞きました。
 さて、相愛幼稚園の収穫感謝は、「礼拝」と「会食」の二本立てです。
 会食の準備は、保護者ボランティアの助けも借りて、子どもたちは、“自分の出来ること”をして働きます。 年長・ばら組は、ピーラーを使ってニンジンの皮むき、年中・すみれ組は、自分の手で玉ねぎの皮むき、お母さんたちは、ごつごつしたジャガイモの皮むき、それが終わると、子どもたちは、ペティナイフを使って、ジャガイモやニンジンを食べやすい大きさにカットします。隣のテーブルでは、ボールに入ったスイートポテトのたねを一人がふたつ丸めて、天板の上に置きます。年少・つぼみ組と満三歳・ひよこ組の子どもたちも小さい手を使ってみかんの皮をむき、会食の準備に加わりました。雨の上がった庭では、竈に大きな鍋を据えて、カレーをぐつぐつ煮ます。そこに居るみんなによって会食の準備が進みます。

 そして、お昼が来て、ホールにみんなが集い、いよいよ会食です。
 感謝のお祈りの前に、「お家から持ってきたご飯の上に、みんなで作ったカレールウをかけて食べます。食べ終えた子は、ステージの前の『デザートコーナー』にきてください。今日のデザートは、みかん・りんご・柿・バナナ・スイートポテトです。ひとつずつ貰って、召し上がれ。」と「本日のメニュー」の紹介をしました。
 すると、年中組の男の子から質問がありました。「スイートポテトは、ふたつ丸めたのに、貰えるのは、ひとつなの?」と。
 私は、「今日は、ひとつです。ふたつ丸めたから、ふたつ食べられるかな?と思ったのね。ふたつ丸めたうちのひとつは、自分の分、あとのひとつは、ひよこ組やつぼみ組の子どもたち、お手伝いのお母さんやおばあちゃん、そして、先生たちの分。スイートポテト作りでないところで働いていた人たちの分です。」と答えました。

 この後、子どもたちは、学年やクラスを越えたみんなでテーブルを囲み、「おいしいねぇ~」と言いながら、カレーライスもデザートももりもり食べて、お腹も心も満たされました。その表情を見ていると、この日、それぞれが果たした役割は、「自分のため」や単なる仕事の分業ではなく、「隣人のため」の働きであり、「他者への愛の実践」であるとしみじみ思いました。
 1620年、イギリスからアメリカに渡ったピューリタンの人々が冬を越し、収穫の恵みに感謝し、それを周りの人々と分かち合った史実が起源の収穫感謝祭。
 2024年を生きる私たちもこの秋の収穫を神さまに感謝し、共にある人たちとの分かち合いを喜ぶひとときでした。

 アドベント(待降節)に入りました。
 
一人ひとりの心に平和の主を迎えるクリスマス。
 世界の平和を願い、世界中の人々が一人も漏れることなく、温かく、豊かな、喜びあふれるクリスマスを迎えられますようにと祈ります。
                                 〔 
園長 木﨑 曜子 〕

 

                       「 さあ、ベツレヘムに行こう。 」
                         ( ルカによる福音書2章15節 )

 

武蔵野相愛幼稚園

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