神に信頼して歩む
いつの頃からか、創立記念日に子どもたちと作った梅ジュースで「幼稚園の誕生日おめでとう!」と乾杯するようになりました。
それ以前も毎年6月になるとあちらこちらから届いた梅でジュースを作っていたのですが、7月の幼稚園の誕生日に解禁することにした歴史を辿ってみると、2011年7月号の「相愛だより」巻頭言に創立75周年の記念日を祝って、みんなで作った梅ジュースで乾杯した記事がありました。
「今年の梅ジュースは特別の感慨をもって乾杯をしました。なぜならば、今年のジュースには、相愛幼稚園が始まった年に入園した一回生、高槻秀雄さんのお宅の庭の梅の実と75周年を迎える今年の春に入園した七十二回生、Mちゃんのお宅の庭の梅の実がその中に入っていたからです。それは、脈々と流れる歴史のつながりを感じさせる味わい深い梅ジュースでした。そうして、午後からは理事長の長山恒夫牧師が 『相愛幼稚園の誕生日』 と題して説教をしてくださり、創立記念礼拝を守りました。」とあります。
さて、時は流れ、2024年。
今年は梅がかつてない大不作ということでした。暖冬の影響で梅の花が例年より早く開花し、不完全な花が多く、着果が少なかったことや3月に降った雹によって実に傷がつくなどの被害があったこと、それに加え、梅の実の汁を吸うカメムシが大量発生したことが主な要因でした。
また、このところ毎年梅を届けてくださる大森ひかり先生のお父様の所属する茅ヶ崎の教会の庭の梅の実も盗難に遭ったとの知らせを受け、「どうしましょうか・・・」と思いあぐねていました。
そのような中で、吉報も!
内藤直子先生のお宅の庭の梅は、豊作とのこと。早速、内藤先生は、リュックサックいっぱいに梅の実を入れて、幼稚園に運んでくださいました。そして、その翌日には、「盗られたにもかかわらず、余りある収穫がありました。子どもたちとジュースをつくってください」。と大森先生のお父様からの梅が届き、今年の梅ジュースが出来たのです。
内藤教諭も大森教諭も武蔵野相愛幼稚園の卒園生。このつながりも大変嬉しく、2024年の梅ジュースも感慨深いものとなりました。
2024年7月1日 武蔵野相愛幼稚園は、創立88年を迎えました。“88”人間でいえば長寿のお祝い「米寿」ですね。88年の間には、太平洋戦争末期の休園期間やCOVID-19の感染拡大防止対策による全国一斉臨時休校・休園などもありながら今日を迎えました。
嬉しい時も困難な時も私たちの幼稚園の歩みを守り、導いてくださった神さまに感謝いたします。
「愛する者たち、互いに愛し合いましょう」
(ヨハネの手紙Ⅰ 4章7節)
建学の精神である、この聖書の言葉に押し出され、これからも地域に根ざし、神と人とに愛される幼稚園、人と人とのつながりを大切に歩む幼稚園として、歴史を重ねていきたいと願っています。
〔 園長 木﨑 曜子 〕
「 隣人を自分のように愛しなさい。 」
〔 マルコによる福音書12章31節 〕