相愛の庭

 春、生命の芽生える喜びの季節です。新年度を祝うように幼稚園の庭は、チューリップや桜、カロライナジャスミンなど春の花々で彩られています。
 さて、武蔵野相愛幼稚園は、昨年度の後半期(2023年10月)より満三歳児の保育を開始いたしました。希望すれば、新年度の4月を待たず、満三歳の誕生日を迎えた翌月の一日から入園できます。ですから、幼稚園には、就学前四学年の幼児が在籍しています。四学年編制になりましたので、学年別のクラス名に「つぼみ」が新たに加わりました。
 満三歳児「ひよこ」
 年少「つぼみ」
 年中「すみれ」
 年長「ば ら」
 そして、未就園児のクラスは、「たまご」です。

 “つぼみ”は、花や木の葉、果物などが、まだ開いていない成長過程で、内に秘められた希望や成長の象徴。
 “すみれ”は、野の花、道端の花なのに雑草といわれることはなく、謙虚で誠実な生き方のシンボル。
 “ばら”は、華やかな姿や色、香しさから言わずと知れた花の女王。
 4月は、進級や入園によって、新しいクラスの一人としてのスタートを切る子どもたちです。

 幼稚園の創始者であるフレーベルは 「幼稚園」 を kindergarten (キンダーガルテン) “子どもの園(庭)” と名付けました。この庭園は、蒔かれた種子がすくすくと成長をとげる場所です。
 子どもたちは、自身の内に備わっている生きる力、育つ力をこの庭で伸び伸びと育てていけますように。そして、時期はさまざまであっても、一人ひとりが芽を出し、花を咲かせ、違いを認め合い、楽しみ、明るく、温かい庭となりますように。
 保育者は、この庭の園丁(庭師)として、思慮深く世話と手入れをし、子どもの本質を生き生きと発展させるように努めます。優れた園丁の営む庭は、植物が単に自己の個性を発揮するだけでなく、まわりの植物の個性の発揮を妨げないように心を配り、調和のあるものです。私たち保育者は、一人ひとりの子どもの個性を発揮させることを大切にするだけでなく、自他ともに尊重する社会性を子どもの中に育てることにも力を尽くしてまいります。社会生活への一歩をこの庭で歩み出し、共に生きることの喜びを感じる子どもへと育まれていく相愛の庭でありたいと願っています。
 それは、武蔵野相愛幼稚園の園名が示す
 「愛する者たち、互いに愛し合いましょう」
           (ヨハネの手紙Ⅰ 4章7節)
 との、相愛の精神でもあります。

 新しい春の出会いに感謝し、喜び合い、育ち合う一年となりますように。
 さあ、出発しましょう。
 本年度もよろしくお願いいたします。 
                               ( 園長 木﨑 曜子 ) 

 

                      「 新しい歌を主に向かって歌え。 」
                             〔 詩編96編1節 〕

武蔵野相愛幼稚園

住所

〒180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-31-4