居場所
イエスさまのご降誕を共に祝い、喜びのうちに新しい年を迎えた2024年元日の午後4時10分ごろ、石川県・能登地方を震源とする大きな地震が起こりました。激しい揺れと押し寄せる津波、一時は、大津波警が発表されるなどの大地震でした。
被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
震度7を記録した志賀町に住まう高齢男性の「元日の夜から避難生活を強いられるとは夢にも思わなかった」との言葉に心が痛みました。
地震で被災された方々の過ごす避難所は、食料や毛布などの物資不足に悩まされ、ひもじい思いをされている方や寒さに凍えている方が大勢いらっしゃるとのことです。
人気ユーチューバーH氏は、「今、僕らができることが3つある」とし、
1、募金
2、フェイクニュースを拡散しない
3、被災者に言葉をかけること
と考えを表明しました。
また、女性フリージャーナリストのU氏は、「いつでもSOSを出して」や「一人じゃないよ」など、被災した相手の立場を想像して相手に必要な情報や寄り添うコメントを数少なく送ってくださいと伝えています。
さて、2000年前のいちばん初めのクリスマス。
住民登録のために戻って来た夫の故郷、ベツレヘムの宿屋はどこも満員で、ヨセフと臨月の妻・マリアがやっと許された居場所は、暗くて、小さな家畜小屋でした。病院や自宅はおろか、出産するにはおおよそふさわしくない不衛生で寒々しい場所でした。ここで、私たちの救い主イエスさまは生まれたのです。粗末な布にくるまれ、牛や馬に与える餌を入れる飼い葉桶に寝かされたこの乳飲み子こそわたしたちへのしるしでした。
イエスさまの生涯は、居場所のない人に場所を与えること、これに尽きると言えましょう。居場所ということに徹底的にこだわった方です。
人は安心できる自分の居場所を求めています。そこは、単に、人が存在するところという物理的な場所を指すだけではありません。居場所は、居心地がよく、心が落ち着き、そこに居るとホッと安心して居られるところ、そして、他者の受容や承認、自分のありのままが受け入れられる場であることが大切な要素です。
クリスマスに天使によって告げられた約束の言葉は、インマヌエル。
これは、「神は私たちと共におられる」という意味です。
これこそ、私たちの本当の居場所であり、すばらしい喜びです。
居場所のなかったイエスさまが、私たちに場所を用意すると約束されたのです。
2000年の昔、「私は、いつもあなたがたと共にいる」と言われた神さまの約束。その神さまのまなざしのもとで私たちは共に生き、地震や津波により避難生活をしている方、戦争から逃れるために避難しなければならない人たちに一日も早い復興や平和の日が訪れますように、安らげる居場所が得られますようにと祈り続ける相愛の群れでありたいと願う2024年の初めです。
〔 園長 木﨑 曜子 〕
「 わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。 」
〔 ヨハネによる福音書15章5節 〕