" Come Back Home "             (ふるさとへ帰る)

 統計開始以来最も暑い今年の夏でした。残暑は続くようですが、幼稚園の二学期が始まります。
 夏休みが明けて、新学期が始まることを英語圏では、“ Back to School ”と言いますが、幼い日、幼稚園(School)という場で、共に過ごした時間や係わりは、在園児や卒園生の心を支える大切な Home(ふるさと)となっています。彼らは、折に触れ、この Home に帰省し、憩い、安らぎ、生きていく勇気を取り戻し、また出かけて行きます。

 昨年度、「絵やコンサートを通じて ” 笑顔 ” を作っていくプロジェクト」( 企画:吉祥寺美術館 監修:絵本作家でシンガーソングライターの中川ひろたか氏 )に、年長・ばら組の子どもたちは、自分や家族、友だちの笑顔を描いて参加しました。その集大成ともいえる中川ひろたか氏のコンサートが、7月15日(土)武蔵野市民文化会館であり、会場でこの3月に卒園した5組の一年生親子に再会しました。5人のうち4人は、それぞれ別の小学校に進んだ子でした。コンサート後、一人のお母さんの「最近、学校でお友だちとうまくいかないことの多かった娘も、今日はホッとできる仲間と過ごせて穏やかな気持ちになれたと思います。」の言葉は、中川ひろたか氏の「みんなともだち ずっとずっと ともだち がっこういっても ずっとともだち」の歌詞そのもだと思いました。
 

 また、卒園生のSちゃん(1998年3月卒園)が結婚したての夫に「母校を紹介したい」と、ご両親と共に相愛幼稚園にやってきたのは、7月29日(土)の午後でした。夏期保育で使ったプールを園内いっぱいに広げて干してあり、加えて今年は、床や配管の工事のために机や本棚、諸々の備品を一時的にホールに移動しており、雑然とした幼稚園でしたが…。夫の海外赴任に伴い、移住前の最後の土曜日ということでの来園となりました。
Sちゃん「ホールのこの滑り台が大好きだった。」
お父さん「あの鉄棒で逆上がりの練習をしたね。」
お母さん「クリスマスは、天使になったわね。」
 次々に蘇る懐かしい思い出は、親子にとっての貴重な家族の歴史。新夫は、Sちゃん親子の佇まいに優しいまなざしを向けていました。

 続いて、1965年3月卒園のOさんからの「年少・ゆり組の時の担任のM先生が卒園後も17歳頃まで誕生日のカードを送ってくださった。ご健在であれば80歳を過ぎておられましょうが、一言お礼を申し上げたいのです。」との問い合わせに、元主任教諭の小林洋子先生と松野事務長の協力を得て、OさんとM先生を繋げるお手伝いをしました。

 幼い日に愛され、大切にされた記憶。
 かけがえのない仲間と紡いできた暮らし。
 幼児期の思い出は人の一生を支えるといわれます。二学期も神さまの祝福の中にあって、子どもたちと丁寧に日々を重ねていきたいと願っています。
                                  〔 
園長 木﨑 曜子 〕

「 人はパンだけで生きるものではない。 」
          〔 ルカによる福音書10章16節 〕

武蔵野相愛幼稚園

住所

〒180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-31-4