「 平和をつくる」

 新しい2023年の歩みが始まりしばらく経ちましたが、一つの終わりも近付く季節となりました。相愛幼稚園のばら組の子どもたちは、もうすぐ卒園です。「同じ小学校に行って、また遊べるね、楽しみだな」。そんな声がある一方で、「別々の小学校に行くことになるかもしれません」。あんなに仲良くしていたのに。残念だなぁ。悲しいね。子どもたちだけではなく、大人たちの心にもそのような思いがあると思います。
 そしてこの世界のみんなの心の中にある、同じ悲しみがあります。ウクライナでの戦いが終わっていないということ。新しい年になってもまだ悲しい気持ちでいること。私たちの胸を締め付ける大きく深い悲しみです。

  神様の子ども、イエス様は言われました。
  「平和を実現する人々は、幸いである。
   その人たちは神の子と呼ばれる。」
      (マタイによる福音書5章9節)

 聖書の告げる「実現する」という言葉は「つくる」という意味も持っています。私たちはたくさんのものをつくります。子どもたちも幼稚園で、これまで数え切れないほどのものをつくってきたと思います。それは目に見えるものだけではありません。目に見えない大切なもの。思い出もみんなでつくってきました。
 けれども悲しいことに、私たちは何かを壊すということもしてしまいます。もしそれが大切なもの。たった一つしかないものであったら、その悲しみはどれほどでしょうか? 私たちは平和をつくれるのでしょうか? 聖書は「できます」とハッキリ告げています。神の子たちがそうできる。
 本当の平和はもう実現しています。私たちを愛してくださるイエス様が十字架にかかってくださり、そして甦ってくださった。だから悲しみは悲しみのままで終わらない。喜びに変わるのです。聖書の告げるイエス様の愛が平和を伝えています。神の子たちとは、この愛を信じる人々のことです。相愛幼稚園の子どもたちもこの愛を聖書から聞いてきて、礼拝で歌い、祈り、イエス様と一緒に歩んできました。この思い出と愛は決して壊すことはできません。私たちが平和でない時、愛もまた傷付いて、壊れてしまっているのではないでしょうか。聖書はそんな悩める私たちにずっと愛を語り続けてきました。本当の愛です。愛と平和はいつもセットなのです。
 武蔵野相愛幼稚園の子どもたちはこの場所でたくさん遊んで、うれしいことも悲しいことも受け止めて大きくなっていきました。そして、神様に祈ることもしてきました。祈ることは平和をつくることです。平和の一歩とは祈りです。私たちの力を超えたものを祈り求める。私たちを愛し、どこに行っても守ってくださる神様、イエス様を信じて祈ることこそが聖書の告げる平和につながっていきます。
 祈りは難しいものではありません。誰もができます。今すぐにでも。私たちを愛してくださる神様の愛は決して途切れることはありません。争いのある所にも届いています。それを信じ受け止める人がまだ少ないのではないでしょうか? それが平和を壊しているのではないでしょうか? 新しい年になって自動的に何かが変わるのではありません。神様が変えてくださいます。そのことを信じ、祈る者でありたいのです。
 子どもたちもきっと祈っています。
 神様、イエス様の愛と平和が世界中に届きますように。そして今、悲しんでいる人たち、子どもたちを笑顔にしてください!

〔 牧師 長尾 大輔 〕

「 ここに愛があります 」

         〔 ヨハネの手紙Ⅰ 4章10節 〕

武蔵野相愛幼稚園

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