しあわせな記憶


 「日本への帰国が決まり、吉祥寺に住まうことになったのですが、5歳になった息子を受け入れていただけますか?」とYさんから幼稚園に電話があったのは、年明け、一月半ばのことでした。
 帰国後、家族四人(父・母・長男・長女)で幼稚園にいらした際、私は、「なぜ、相愛幼稚園を希望なさるのですか?」と、お父様のYさんに尋ねました。すると、「私は子どもの頃、国立のS幼稚園(キリスト教主義)に通っていて、その時がとても楽しく、幸せでしたから息子のAにも同じような環境を与えてやりたいのです。」とおっしゃいました。
 そして、Aくんは、2月5日から相愛幼稚園に通い始めました。
 それから、三日後の2月7日(金)、東洋英和女学院大学附属かえで幼稚園の先生方8名が相愛幼稚園にいらっしゃり、遊んだり、お弁当を食べたり、賛美礼拝を守ったり、朝から降園時間まで子どもたちと一緒に過ごされました。
 保育が終わり、かえで幼稚園の先生方とこの日の振り返りをした時のことです。
 その中のお一人、K先生が、編入まもない年中のAくんとの会話を教えてくださいました。
 Aくん「先生の幼稚園には、王様がいるの?」
 K先生「いいえ、王様はいないわ。
     相愛幼稚園には、王様がいるの?」
 Aくん「いないよ。
     王様はいないけど、神さまがいるよ。」
 Aくんは、自分が相愛幼稚園に来たばかりだということもK先生に話したらしいのですが、K先生は、「入園まもない子が相愛幼稚園には神さまがいると感じ、嬉しそうに語る姿にキリスト教保育の確かさを感じました。」とおっしゃいました。
 私は、AくんとK先生のやりとりを思い浮かべながら、この上ない喜びを感じていました。加えて、やがて、Aくんが大人になって、父となり、わが子を幼稚園へ通わせる時がきたら、「相愛幼稚園のような園へ通わせたい」というお父さんになるのかな?と楽しい想像をしていました。

 また、別の日、卒園生のTさんが幼稚園にいらっしゃいました。40代半ば、今は、大学で保育者養成の仕事に携わっていらっしゃるのですが、今度、ゼミの学生に相愛幼稚園を見学させたいということでお見えになりました。
 「いや〜、ほんとうに楽しかったんですよ。」とニコニコしながら、幼稚園時代を振り返るTさん。
 つくる部屋で作ったものを一度家に持って帰り、家で改良して、また、翌日幼稚園に持ってきて遊んだこと。園舎建築の時、仮園舎の砂場で心いくまで穴を掘ったこと。担任の先生が恐かったことや年長組の先生は優しそうにみえたこと。やんちゃ坊主たちがクリスマス礼拝では、キャンドルを持って厳かに入場したこと…などなど。
 極めつけは、青年期、交際した彼女との初めてのデートで、「ここが子どもの頃、ぼくが一番好きだった場所」と相愛幼稚園に連れて来た微笑ましいエピソードも打ち明けてくれました。

 今年度の保育もあと12日。
 守られた日々を神さまに感謝します。
 幼稚園での日々が、一人ひとりにとって、いずれの日にか懐かしく思い出す、神と人とに愛された子ども時代の温かい記憶でありますようにと祈ります。

〔 園長 木ア 曜子 〕  

 

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聖書のことば

「 わたしたちの主イエス・キリストの名により、 

             父である神に感謝しなさい。」

                    〔 エフェソの信徒への手紙5章20節 〕