愛読書は何ですか?

 

 図書係のお母様方の手になる「図書だより」がまもなく発行されます。
 そのなかに例年ですと、「子どもたちに人気の絵本は何ですか?」のコーナーがあって紹介してきましたが、今年はそれに代わって「先生方の愛読書は何ですか?」と問われました。
 私は、迷うことなく三冊の愛読書を挙げたのですが、このとき感じたのは、「いい本は年をとらず、いつも新しい」、そして、同じ本を何度も読み、そのたびに深い楽しみを繰り返せるのは、なんて幸せなのでしょうということでした。


 「成長期に、ごく自然に文学を生活にとりこみ、いい本にめぐり会えた人は仕合わせである。なぜならば、その人は、半ば無意識のうちに、自分の中に、生きてゆくのに必要な美の基準を心の奥深くとり入れ、目の前のものに流されずに生きていくことができる、という信念めいたものを、私は持っている」と石井桃子はいいます。
 石井桃子は、子どもたちのために最良の文学、文化を求め続け、編集者、翻訳家、作家として幅広く活躍した人です。昭和初期から2008年4月に101歳で召されるまで、約200冊の子どもの本を世に送り出しました。
 「クマのプーさん」、「ピーターラビットの絵本」、「ちいさなうさこちゃん」、
 「トムソーヤの冒険」、「フランダースの犬」、「ノンちゃん雲に乗る」、
 「小公子」、「家なき子」、「ピーター・パン」など、
 誰もがどこかで石井桃子の言葉と作品に触れていることでしょう。

 創作、翻訳、編集、全てにおいて、子どもにこそ最高のものを送り届けようとし続けた彼女が、「本は一生の友だち」という言葉を遺しています。

   本は友だち。一生の友だち。
   子ども時代に友だちになる本、
   そして大人になって 友だちになる本。
   本の友だちは一生その人と共にある。
   こうして生涯話しあえる本と
   出あえた人は、仕あわせである。

 さて、入園や進級、新しい環境のなかで、一学期の園生活はいろいろなことがありました。うれしかったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、悔しかったこと、乗り越えるべき課題に直面したこと…。
 けれども、ここで、ちょっと一休み。
 7月下旬から夏休みに入ります。
 提出を伴う宿題のない幼稚園の夏休み。
 夏休みには、お母さんやお父さん、おばあさまやおじいさまの膝の上で、また、添い寝の床で、生涯の友といえる本との出会いや何度も繰り返して聴く言葉の楽しさを存分に味わうときがもてますようにと願います。

 言葉は、形のないものですが、人の心の大切な財産となります。温かい言葉、やさしい言葉を心にたくさん蓄えた人は、明るい世の中を作り、平和をつくり出す人になると私は信じています。
                            〔 園長 木ア 曜子 〕

 

 

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聖書のことば

「 まことの光が輝いているからです。」

             〔 ヨハネの手紙T2章8節 〕