新しい仲間 ハレルヤ

 4月の半ば、幼稚園にやってきた幼鳥のセキセイインコの名前募集には園児だけでなく、お母様方や保育者、たまたま立ち寄った卒園生などから多数の応募がありました。
 応募総数89(解読不能を含む)の中から3つの名前が最終選考に残り、厳正なる抽選の結果、「ハレルヤ」と命名されました。

 ハレルヤとは、ヘブライ語由来の言葉で、「神をほめたたえよ」の意味があります。幼稚園に来たその日から子どもたちの歌う讃美歌に合わせて、「ピーピー」と力強く鳴いていましたので、小鳥の名前がハレルヤに決まった時、この子に相応しいネーミングだと私は思いました。


 ハレルヤは、調布にある小鳥屋さんからやって来ました。昭和29年創業のこの小鳥屋さんには、鳥への愛情がひしひしと伝わってくるような風貌の店主・工藤さん御夫妻がいらして、
 「ひなは食べて寝るのが仕事、野菜をたっぷり食べさせて、たっぷり寝かせること。可愛いからといってちょっかいばかり掛けてると長生きしないからね。野菜はしっかり食べさせるんだよ。じゃないと13年くらいしか生きないよ! ちゃんと育てれば20年は生きるからね!」と飼い方のコツを教えてくださいます。
 愛玩動物としての小鳥も、むやみやたらに甘やかして可愛がるのではなく、鳥の特性をしっかりつかんで、丁寧に愛情深く育てることの大切さを私たちに教えてくれます。

 さて、小鳥のハレルヤ、そして、工藤夫妻との出会いからほどなく、10連休の終盤、私は日本保育学会の研究発表大会に出席しました。今年は、開催地が東京でしたので、例年にも増して、大勢の参加者があり、5月4日と5日、二日にわたって教育学・心理学・福祉学の分野の実践者と研究者たちの発表・討論が活発に展開されました。
 時は、平成から令和へ。
 手に取った保育学会報の中の「新時代になろうとも変わらないこと」と題する文章の一節に私は共感しました。

 「人間は丁寧に育てられなければならないが、それにしても、最近の人間関係の作り方は丁寧すぎるような気がする。人間は壊れやすい存在だが、同時に丈夫さも備えた存在である。人間を壊れやすいものとしてばかり扱っていると本当に壊れやすくなってしまう。それは、人間関係においても同様で、壊れやすいものとしてばかり扱っていると本当に壊れやすくなる。くわえて、人間関係を壊すことが起きないものだから、作り直す機会も失う。結果として、壊れても作り直せばいいという丈夫さはしぼみ、壊れたら戻らないという不安だけが膨らむのだ。」

 遊びは「つくる」だけでなく、「壊す」ということも大事な要素で、砂や泥、粘土、積み木などの素材や遊具は、何度も作ったり、壊したりして繰り返し遊べるところに魅力があるのです。
 幼稚園の子どもたちには、遊びを通して、また、仲間とのかかわりの中で、たくさんの楽しみや喜びを経験し、時には、壊れることをも恐れず、失敗や葛藤や試行錯誤を大切な糧として、自分という人間を丈夫にし、人間関係を丈夫にしていく人に育って欲しいと願います。

〔 園長 木ア 曜子 〕      

 

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聖書のことば

「 息あるものはこぞって 主を賛美せよ。 ハレルヤ。」

                〔 詩編150編6節 〕