三角公園

 井の頭公園の東側の端、井の頭公園駅のすぐ下に通称「三角公園」があります。子どもたちは、よく「三角公園」に遊びに行きます。次の駅が三鷹台ですが、わたしの子どもの頃は、この辺りは、まだ、田んぼが広がっていて、井の頭池と神田川の境目と思っていました。「三角公園」の辺りは、その頃、池の続きで、遊ぶことができるようなところではありませんでした。
 井の頭池と神田川の境目は、井の頭池の終わりが一つの小さな池になっていて、そこから、神田川に流れているところが「水門」といわれています。そこから、坂を上って、井の頭線の踏切を過ぎ、井の頭通りまでが「水門通り」と呼ばれています。わたしは、子どもの頃、この踏切の側に住んでいましたので、この「水門」から「三鷹台の下」辺りまでは、遊び場でした。
 井の頭池から神田川に流れ込むあたりは、川の中に家が一軒立っていたり、深い井戸の跡があったり、手入れがされなくなった、不潔な25mプールがあったりしました。このプ−ルのあった辺りは、今、井の頭公園駅下にある広場になっています。

 井の頭公園は、幾つにも分かれていて、水源は、カトリック教会、その周辺の住宅のあるあたりで、これらの住宅が建った時に水源が枯れ始めたので、そう言えると思います。けれども、弁財天の方にも池は広がっていますから、水源は一つとはいえないのでしょう。むしろ、弁財天の方が、本来の水源かも知れません。
 七井橋をはさんで、水源側に、この水源と弁財天の池とがあり、反対側に、ボート場のある井の頭池があります。ボートのある池の方が人々に親しまれ易いからでしょうか、井の頭池というと、ボートのある井の頭公園と思われているようですが、本来の池の姿は、水源のある池や弁財天池にあるようです。
 流れが、井の頭池から神田川に入る「水門」は、池のつくりを印象付ける箇所ですので、まだ、知らなかった方は、一度見ておかれるとよいと思います。神田川が、ここから始まっていることも、ついでに、知っていただけたらと思います。


 子どもたちが、「三角公園」に遊びに行くのは、広い公園で思いっきりかけっこをすることと同時に、そういう、井の頭公園という大きな自然の一角に遊びに行くということでもあると思うのです。 大人から見ると、子どもは、自然そのものです。子どもという自然を、十分にいかした子ども自身であることを願っています。

 泥遊び、砂遊びは、その代表的な子どもの遊びですが、子どもと自然ということを考えると、大人が用意したものではなく、自然の中で、子どもが、見つけ出したもの、それは、子どもが自然の中にいて、はじめて、実現するものでしょう。「三角公園」へ行くことが、そういうことにつながる子ども自身の発見、一歩一歩であるように願います。

〔 理事長 長山 恒夫 〕  

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