子どもの祈り
幼稚園で飼っていた小鳥のピーちゃんが召されたと連絡を受けたのは、10月14日の
日曜日、教会での礼拝が終わった昼過ぎのことでした。その数日前、止まり木から降りて、かごの隅に身を寄せて動かずにいるピーちゃんを案じて動物病院で診察してもらいました。
「風邪かな?」と診断されて、薬をいただき、鳥かごをホールからたんぽぽの部屋に移して、ホットカーペットを用意し、ブランケットで覆って、保温に努めながら様子をみていました。
週末、金曜日の夕刻に本宿犬猫病院の院長先生は、「休園日の幼稚園にピーちゃんをおいておくのは不安でしょうから」とおっしゃり、ピーちゃんを預かってくださることになりました。また、その時、「片方の足が利かずに止まり木にとまれない状態は、脳に腫瘍ができていて運動機能が麻痺している可能性がありますね。鳥の専門病院で脳のCTを撮って調べれば原因がはっきりするし、外科的手術という方法もあるけれど…。」と教えてくださいました。
けれども、今後の対応を思案する間もなく、ピーちゃんは天に召されました。
5年前の春、中野の小鳥屋さんからやってきたピーちゃんは、私たちの大切な友だちでした。ハコベが好物で、子どもたちは競って「ぼくのハコベを食べて!」「わたしのハコベを食べて!」と鳥かごのあちこちから差し出しました。すると、ピーちゃんは喜んで、ついばんでくれました。また、子どもたちが小さな指を鳥かごの間から入れるとツンツンとやさしくつついて遊んでくれました。 園児ばかりでなく、たまごの会のちいさい子どもたちや保育者にとってもピーちゃんは大切な存在でした。保護者の皆さんの中にもピーちゃんの可愛らしい仕草を微笑ましく思ったり、癒されたりした方がいらっしゃることでしょう。
いま、ピーちゃんのからだは、園庭の黄花ジャスミンの木の根元で眠っています。その場所は、花や葉っぱで飾られ、カップに入った水や砂のごちそう等、子どもたちのお供えものがたくさん置いてありますからすぐにわかると思います。
お墓の前で女の子たちが祈っていました。
「 ピーちゃん、いつもかわいかったね。
いまでも だいじだよ。
きれいな なきごえは わすれないよ。」
また、10月24日は、年長組と年中組の親子で関前にある井口さんの畑に芋ほりに出かけました。
春、年長・ばら組の子どもたちが苗を植え、その後、ボランティアのお母さまたちと芋の葉っぱの周りに群生する雑草取りにも行き、この日を楽しみに待っていた子どもたち。
お母さんと一緒に稀にみる大きなサツマイモを掘り出したB君の祈りをお母さまが教えてくださいました。
「 かみさま、どうしてこんなにおおきなおいもが そだったんでしょうか。
せかいいち おおきいおいもかもしれません。
みんなが かんしんしていました。
きょうは さいこうのいちにちでした。」
“育ててくださる神さま”に感謝して、晩秋に向かう日々を子どもたちと共に過ごしています。
〔 園長 木﨑 曜子 〕
聖書のことば
「 わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。」
〔 ヨハネによる福音書15章1節 〕