悲喜こもごも

 

 それにしても雨の多い8月でした。

 私にとっては、嬉しいことと淋しいことのあった夏でした。

 嬉しかったことは、中3のミカちゃんと高1のヒロ君、二人の卒園生がボランティアとして夏期保育に参加し、間近でその成長を感じたことです。大きくなったと感じたのは、私の背丈を軽く追い抜いた身長だけでなく、自分に出来ることを見つけて積極的に関わろうとする二人の姿勢でした。

 園児の降園後、保育者たちと一緒に昼食をとっている時のこと、私たちが、その日の子どもたちの様子を話していましたら、
「へぇ〜、こんなふうに一人ひとりの子どものことを先生たちみんなで共有しているんですね。僕は子どもの頃、どんなふうにこの場で話題になっていたのかな〜って、思います。僕ってどんな子どもでしたか?」とヒロ君が尋ねてきました。

 私が、ヒロ君と一緒に遊んだ“飛行機ごっこ”や“電車ごっこ”のときのヒロ君のこだわりについて話をすると、「あ〜、そんなこと言ってたかもしれないな〜。」と懐かしそうに言いました。そして、「中学や高校の友だちはいろいろな幼稚園の出身で、その友だちと幼稚園の頃の話をする時があるけれど、僕は幼稚園の時にたくさん遊べてよかったなと感じます。」と言いました。それから、将来の進路についても語ってくれましたが、その口調はとてもしっかりしていて、頼もしく感じました。
 私は、「いっぱい遊べてよかった!」といえる幼稚園での日々が今のヒロ君の素地となっている気がして嬉しくなりました。

 夏期保育が終わって数日後、ミカちゃんからの御礼状には、
「久しぶりに幼稚園に行き、なつかしい気持ちでいっぱいでした。帰宅後、腰が痛くなり、幼稚園の仕事の大変さがわかりました。」
と、感想が記されていました。

 さて、淋しかったことは…

  佐々木正美先生(6月28日帰天)

  日野原重明先生(7月18日召天)

  笠利和彦先生 (6月6日召天)

  及川美穂子先生(7月28日召天)

 四人の先生方を天に送ったことです。この先生方は、皆、キリスト教信仰をお持ちで、私たちに多くのことを伝え、教えてくださいました。

 カトリック信者で、児童精神科医の佐々木正美先生は、以前、相愛幼稚園で講演をしてくださいました。その時の穏やかで優しい語り口ながらもきっぱりとおっしゃった「育児以上に創造性のある仕事を私は知らない」の言葉は胸に響きました。

 笠利和彦先生は、武蔵野中央幼稚園の学園長、及川美穂子先生は三鷹小鳩幼稚園の元園長です。どちらも私たちと同じキリスト教主義幼稚園の園長先生でした。子どもを信じる保育を実践なさった私の敬愛する先生でした。

 聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生は、105歳で召される前日、同病院院長の「つらいところはございませんか?」の問いかけに、
「年を取ること自体が未知の世界への冒険。こんな楽しい冒険はない。」
と、お答えになったそうです。

 出会いと命と愛とゆるしを大切にされ、多くの人たちに励ましを与えた先生でした。

 尊敬する先生方の召天、嬉しく感じた卒園生の成長、悲喜こもごもの今年の夏
でした。

〔 園長 木ア 曜子 〕   

 

相愛だより9月号カットs.jpg

聖書のことば

「求めなさい。そうすれば、与えられる。」

                                  〔 マタイによる福音書7章7節 〕