5月になって

 

  5月を迎えて、ひよこ組の子どもたちは、入園して20日が過ぎました。ばら・すみれ組の子どもたちは、それぞれ進級して23日過ぎました。保育日数からしますと、それぞれ14日になります。
 幼稚園で、この一年、すみれ組・ひよこ組として過ごしてきた園児たちの頭の中にある新年度の自分たちの姿は、お兄さんお姉さんの組として一年間見て来たばら組、すみれ組でしょう、それぞれ、一年大きくなったのですから。
 ひよこ組の子どもたちにとっては、何もかもがはじめてです。そんな14日間を子どもたちは過ごしました。わたしたちは、そんな子どもたちと一緒に歩めたかを振り返りたいと思います。子どもたちが心に描いた一年大きくなった自分たちの姿は、実際には、この年度を終わった時の姿と考えた方がよいでしょう。



  5月は、具体的には、「さあ、遊ぼう」と、子どもたちの新しい歩みが始まる時
です。

  気になるのは、そんな遊びの中に入っていけない子がいるときです。いずれ入って行きますが、それまでの間に、その子が何を経験するのかよく見て、その子をよく理解し、その子の成長にプラスになることにつなげたいと願います。

 

 子どもは、それぞれの家庭で、お母さんお父さんとの大人との関係、兄弟姉妹や友だちとの子ども同士の関係で、様々なことを経験し、成長します。
 3歳で幼稚園に行き3年間を過ごすことが当たり前のようになっていますが、幼稚園生活では、卒園するまで、年齢に相応しい、その子に相応しい経験ができているかに、大切な意味があると思います。
 0歳から5歳までの経験といえば、主に、家族関係でしょう。家族は、社会の基本単位ですが、現代社会は、家族を構成するために、母親の仕事と家庭との関係など基本的な問題が、未解決のまま手つかずにあります。女性と仕事との関係が優先され議論されることはあっても、子どもとの関係で問題が論じられることは、ほとんどありません。

 

 子どもにとって、生きるということは、基本中の基本です。0歳から5歳までの6年間は、特に、家庭で、大人の保護のもとにある時です。6歳小学校入学という、国のこの判断は正しいと思いますが、それまでの生活の場である家庭を守ることに、国のすべき仕事が多々あると思います。にもかかわらず、家庭での子どものためには、ほとんど何もされていないのが現状です。

 保育園があるではないかと考える人がいると思いますが、保育園は、親に代わって保育をする施設であって、子どものためというよりも、親のための施設です。このことは、0歳児保育を考えるとよく分かります。

 

 子どもにとって、遊ぶことは、親から少し離れて、自分のしたい事をすることと言えるでしょう。
 「入学の子に見えていて遠き母」福永耕二。
 これは、一年生の子の気持ちをうたっていますが、今では、3歳児入園の子の気持ちでしょうか。ちょっとの間に、子どもたちは、随分早く、厳しい時代に生きるようになったのだと思わされます。

 0歳の子は、親のお腹の中にいるも同じ、1歳の子は親の手の中にいる、2歳の子は親に手のとどくところに、3歳になって、親の手のとどくところにいる、目のとどくところにいることを確認しながら、少しずつ自分の歩みを広げて行く、そこに、遊びがはじまるといえるでしょう。子どもにとっての最初の遊びと、いわゆる遊びとでは、意味が違うように思います。

 

  子どもたちの遊びを大切に見守りながら、気持ちのよい5月を過ごしたいと
思います。

〔 理事長 長山 恒夫 〕   

 

 

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聖書のことば

 「主イエス・キリストの恵みが   

         あなたがたと共にあるように。 」

                     〔テサロニケの信徒への手紙第一 5章28節〕