保育の質と園児の質

 3月3日は「ひなまつり」です。この日は、園児のおじいさまやおばあさまをご招待して、うたやダンス、こままわし、お手玉、相撲など、孫たちの遊びの様子や園生活をご覧いただく時となっています。

 

 2月の末に年長・ばら組の女の子たちのおしゃべりが聞こえてきました。
 「ひなまつりは私のおじいちゃんとおばあちゃんが来てくれると言っていたわ」
 「その日は、お父さんやお母さんじゃなくて、おじいちゃんやおばあちゃんが来る日       なのよね」
 「そう、だから、私がお母さんになって、子どもを相愛幼稚園に入れたら、私のお父       さんとお母さんがおじいちゃんとおばあちゃんになって、ひなまつりに来られる          ってことでしょ」
 「あー、そういうことね」


 20年から30年位!?先のことを想像し、自信たっぷりに話している子どもたちの会話を私がおもしろがって聞いていると、同じクラスのAちゃんがやってきて、「私は幼稚園を決める時、相愛幼稚園と○○幼稚園とどっちにしようかって迷っていたの。でも、相愛幼稚園に来て、本当によかった! 私もお母さんになったら自分の子どもを絶対に相愛幼稚園に入れたいの!」と話してくれました。


 私はAちゃんの言葉に励まされました。幼稚園として、どんなに崇高な理想を掲げても、ここで過ごす子どもたちが「あー、よかった!」と感じなければ、それは絵に描いた餅と同じだからです。


 2月18日に行われた「ひまわりの会教育講演会」で、講師の小川和子先生が児童文学研究者松岡享子さんの言葉をご紹介くださいました。
 「読書の質は本の質(本の良し悪し)だけで決まるのではなく、読者の質(読む人の読み方)によって違ってくる。それまでは、おもしろい本に出会いさえすれば、だれでも同じようにおもしろがると思い込んでいましたが、おもしろい本を存分におもしろがる読者がいないとそれはおもしろい本にはならないのです。」


 そうすると、幼稚園の保育の質(それが上質か粗末か)を決定するのは、そこに通う園児の質に負うところが大きいということになります。 時代は待機児問題の解消に向けて、保育の量的拡大ばかり注目されています。けれども、大切なのは質の向上です。
 その中でも最も大切なのは、たっぷり可愛がられ、思いっきり遊び、ぼんやりする自由な時間と空間をもった子ども時代を応援する幼稚園で、安心し、楽しみ、感謝し、希望と誇りをもって生きる喜びに幸せを感じる園児を育てていくことに他なりません。

 

〔 園長 木ア 曜子 〕

 


相愛だより3月.jpg

聖書の言葉

「義の実は、平和を実現する人たちによって、

平和のうちに蒔かれるのです。」

                     [ ヤコブの手紙3章18節 ]