平和の君なる 御子を迎え

 

 12月の初め、NHKニュースで「フランスでは11月の無差別殺害テロ以後、強制と
いうわけではないようですが、クリスマスプレゼント用の子どものおもちゃ売り場から戦争をイメージさせる拳銃や機関銃や短剣などのおもちゃが姿を消しました」と報道されました。

 私がその報道を聞いてすぐに思い浮かべたのは、幼稚園で子どもたちに伝えている
ことでした。
 相愛幼稚園の遊びのコーナーの中でも子どもたちに絶大な人気の“つくるコーナー”は、何でも作りたいものを作っていいのですが、ただひとつ作ってはいけないものがあります。それは、人を打ち負かすための武器です。
 たとえ、格闘するようなけんかになった時も素手でやりなさいと伝えています。


 子どもは多かれ少なかれ無力感を持っています。ですから、家庭を離れて幼稚園で過ごすことになった入園直後の子どもの中には、自分で作った銃や剣を心の盾として握りしめている姿も毎年見られます。しかし、幼稚園が安心して過ごせる場であることが
わかると銃や剣を握っていなくても遊べるようになるのです。

 

「剣を打ち直して鍬とし、槍を打ち直して、鎌とする。」
                      [旧約聖書 ミカ書4章3節]


 預言者ミカは、救い主が与えてくださる平和をわかりやすい譬えを用いて教えてくれました。
 ミカの生きた時代の戦争に使われた「剣」や「槍」は熱で溶かして金づちで打てば、畑仕事の道具である「鍬」や「鎌」になるのです。
 「救い主が来られる時、救い主に従う人たちは、武器を畑仕事の道具に直して、戦いを止めるだろう」とミカは人々に話しました。

 聖書では、人と人とが赦しあって和解し、互いに愛し合う関係を“平和”と語ります。


 今年度の保育の年主題は「平和をつくる」です。


 冬休み中、どのような毎日をすごされたでしょうか。
 起床や就寝に関しての生活のリズム、テレビの視聴時間、また、普段はお会いする機会の少ない親類の方々との挨拶など、それぞれの家庭で大切にしたい親の価値観を子どもに伝える場面が多くあったことと思います。
 価値観は押し付けるものではありませんが、親の価値観やその子が属する集団(園児にとっては幼稚園)での価値観は折にふれ、伝えられなければならないと私は考えます。
 武器を持って遊んだからといって戦争好きになるわけではないという人もいます。もちろんそうでしょう。
 けれども、“互いに愛し合いましょう”の聖書の言葉から幼稚園の名前がつけられ、クリスマスに平和の君なる御子を迎えた武蔵野相愛幼稚園では武器作りやそれを使って相手をやっつける遊びをしてはいけないとこれからも伝え続けていくのです。

〔 園長 木ア曜子 〕  




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聖書の言葉

「平和の福音を告げる準備を履物としなさい。」

        エフェソの信徒への手紙6章15節