一人ひとりの「体験」

 

 2015年度を迎えて、新しい気持ちでスタートをしました。

すみれ組はばら組に、ひよこ組はすみれ組に、一学年上のクラスになるということは、4・5歳の子どもにとっては大変な成長であると思います。特に、新入園児のひよこ組の子にとっては、はじめての集団生活になるのですから、大人の想像をはるかに越えた経験を毎日していることでしょう。毎日が楽しいようにと願う気持ちでいっぱいです。


 幼児にとっては、遊ぶことが基本です。それも、一人遊びが基本で、だんだんと友だち遊びに発展していきます。友だちと一緒にいるのを見ていると、一緒に遊んでいるのだろうと思いますが、友だちがいるという楽しい環境の中で一人遊びをしていることが多いようです。


 三学期の終わり頃、ある子が砂の道をつくって、そこに車を走らせていました。その子の一人遊びは、何日も続きました。つい、一緒に遊ぼうとしたら、つよい勢いで「先生は、嫌いだ」と追い払われてしまいました。どちらかというと、普段その子の方から声をかけてくれる仲良しだったのですが。きっと、その子の一人でやりたい大切なところに、わたしが入り込んでしまったのでしょう。
 何日か経って、その子がわたしのことを気にするようになり、ある日、その子の方から、何事もなかったように、にこにこと声をかけて来て、しばらく一緒に遊びました。この一連のことの中で、この子が、どのような内面的体験をしていたのか分かりません。しかし、日常の出来事を自分の経験として受け止めることができる成長が、この一年この子の中にあったのだなと思いました。そして、これからの一年が楽しみにもなりました。

 

 毎年、入園してくる子を見ながら、お母さんお父さんを離れて、友だちと一緒に遊べるかな、喜んで入園できるかなと思います。先生がどんなに歓迎しても、園長がやさしく迎えても、直ぐに慣れるといえ、子どもたちは緊張でいっぱいです。送り出すお母さんお父さんにとっても同じことでしょう。

 3歳入園が一般的になりましたから、3歳で幼稚園に行くということは当たり前と考えますが、何歳になっても、親を離れて集団の中に入るということは当たり前のことではありません。一人ひとり、その子の新しい体験です。個性ということもありますし、3歳入園ですから、入園児の年齢差、個人差は、大きいものがあります。大人がその子一人ひとりをよく見て、その子自身と向かい合うことが大切です。それは、入園時だけでなく、幼児期全体においても言える大切なことと思います。 わたしの場合は、その年齢の頃、戦争中でしたので、似たような経験をしたのは小学校入学の時でした。情けないことに入学記念写真には母に手を引かれて泣きながら映っています。ですから、今の子は偉いなと個人的には思っています。

 

「子供のように神の国を受け入れる人でなければ、
               決してそこに入ることはできない。」

                         [ルカによる福音書18章17節]

 

                           〔 理事長  長山恒夫 〕

 

 

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聖書のことば

初めに、神は天地を創造された。

                    〔 創世記1章1節 〕