子どもの絵

 

  一学期に動物の表現遊びをたくさんしてきた年少・ひよこ組は、運動会で 「動物親子のおやつの時間」 という親子ゲームをすることになりました。
 “ヨーイ・ドン” で、動物のお面を付けた親子がはっぱのトンネルをくぐり抜け、向こうに立っている大きな樹から木の実をひとつとってゴールに向かうというゲームです。
 この時に付けるお面はそれぞれ家で描いてくることになり、子どもたちに画用紙を配りました。その時、一人のお母様が私に尋ねていらっしゃいました。 「息子はゾウを描きたいと言うと思うのですが、描いた絵がゾウに見えなくてもいいですか?」 と。
 私は 「もちろん、いいですよ!E君がゾウと言って描いたら、それはゾウなのですから。」 と答えました。

 

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 相愛幼稚園では幼稚園に通う年頃の子どもたちには、自分の力で出来る範囲の自己表現を自由にさせてやりたいと考えています。
 子どもの絵は、絵を描く過程でその子がどんなことを考え、何を表現しようとしているかが大切なのであって、出来上がった絵に上手いとか下手だとかいうものはなく、たとえそれが未熟な絵に見えようとも、その絵に子どもが満足していればそれが最もよいのです。
 大人が余計な注文をつけるたびに子どもの表現はつまらないものになっていく気がします。

 また、私たちの幼稚園では特に入園して間もない子どもたちには、大きな紙に太い筆で絵の具を使って伸び伸びと描けるように準備しています。
 その子たちが 「出来上がり!」 と持ってくる絵は一度描いた上からまた描き足したりして塗りたくられ、何が描かれているかわからないものですが、描いた子の躍動感にあふれたものになっています。
 塗りたくりをしている時の子どもは、生き生きと本当に楽しそうで、その様子を見ていると、この楽しさを充分に味わわせてやりたいと心から思うのです。
 そうして、この時期を越えた子どもは次第に具体物を描くようになります。そこがまた、ひとつの大切な通過ポイントです。子どもが自分の思い通りに描けなかった時、そこをどう切り抜けるかが問われる時であるからです。
 子どもは自分の描く絵に対して、「思い通りに描けない、失敗だ!」 と思うことが多々あります。でも、それを失敗だと言って、ダメにするのではなく、それを活かして絵を発展させて、そこから新しい絵を創れるのだということを子どもたちに気づいてほしいと願い、私たち保育者は傍らにいて、声をかけ、見守ります。
 見た (観た) ものをそっくりそのままに真似て描くことへの縛りから解き放たれて、自分の世界を喜んで表現する子になってほしいと願いつつ見守ります。
 保護者の皆さまも秋の保育参加の際には、 「絵のコーナー」 で塗りたくりから楽しんでみませんか?!

                                                                                       〔 園長 佐川曜子 〕

 

 

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