新しい春が来た

 

 幼稚園には時々、小学生になった卒園生が幼稚園を懐かしんで訪ねて来ます。すっかり大人びた口調で近況を語る子や妹の入園を前に「妹をよろしくお願いします。」と挨拶する子、反対に、来たくて来たものの恥ずかしくて言葉の出ない子など、いろいろですが、私たち保育者にとっては、嬉しかったり、微笑ましかったりする楽しいときです。一方、頻繁に顔を見せていた子がしばらく訪ねてこないと「(日常の生活が)上手くいっているのね」と、これもまた、嬉しく思うのです。


 新年度。
 子どもたちにとって、入園・進級という節目のときを迎えました。
 子どもはどのようにして親のもとを離れて、一定の時間、幼稚園で過ごせるようになるのでしょうか。
 キーワードは、「基本的信頼感」とも呼ばれる「心の拠りどころとしての安全基地」です。
 私たち保育者は、子どもの心の安全基地となれるよう、子どもたち一人ひとりと愛情深く、手と心と時間をかけて係わります。
 たとえば、園庭でみつけた小さな虫の幼虫に子どもとともに目を見張ったり、卒園式の時の呼名はなぜ呼び捨てなのか? という子どもの質問に答えたり…。 子どもたちとの園生活において、子どもの喜びや楽しみ、不安や悩み、見て! 手伝って! 一緒にやろう! どうして? などに対し、誠実に応答していく日々を重ねて、信頼関係を築いていきます。すると、子どもは保育者との信頼関係によって育まれる『心の安全基地』の存在によって、心は家庭から外側の世界(幼稚園)に向けられ、外側の世界を探索する勇気を持ち、安心して外側の世界を楽しめるようになるのです。また、安全基地の存在をゆるぎないものにした子は、危険を感じたり、疲れて戻ってきたりしたときには温かく、喜んで迎えられることを確信していますから、安心で安定して過ごせるのです。

 

 「星の王子様」の物語を書いたフランス人の飛行士で小説家でもあるアントワーヌ・ド・ サン=テグジュペリは、「わたしのふるさとは、わたしの子ども時代である。」と言います。
 文頭、卒園生が懐かしい気持ちで幼稚園を訪ねてくるのは、幼い日、愛され、大切にされた記憶と共に、ここが自分のふるさとであると感じているからなのだと嬉しく思います。

 

 新しい春がやってきました!
 COVID-19感染予防の暮らしは続きますが、この春の出会いに心弾ませて、スタートを切りましょう。
 2021年度4月最初の日曜日(4/4)は、イエス様が復活されたイースターでした。 復活のイエスさまがすべての歩みの中、私たちと共に歩んでくださることに希望をもって、喜んで歩む一年にいたしましょう。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

                          〔 園長 木ア 曜子 〕

 

4 加工後.jpg

 

聖書のことば

「 わたしは良い羊飼いである 」

                       〔 ヨハネによる福音書10章14節 〕