小鳥のホサナ 我が家でホームステイ 2020.8.15

    小鳥のホサナ 我が家でホームステイ  

 井口 あかり   

 「夏休みに、幼稚園で飼っているセキセイインコのホサナを我が家で預かってもいいかしら?」
夕食の時に、ホサナを私の家で預かることについて、家族に聞きました。すると、動物が好きな弟と父、鳥が苦手な妹、それぞれが喜んだり、ドキドキしているような反応がありました。私も、ホサナが私の家に来ることになるとしたら家族とどんな生活になるのか、家族はどんな気持ちで過ごすのか、楽しみと少しドキドキした気持ちでした。
 家族の賛同を得て、8月4日、父と一緒に車で幼稚園へ向かいました。迎えに行く車の中で、もう一度ホサナが幼稚園でどのように過ごしているかを父に話しました。
 幼稚園に着いて、ホサナを車に乗せると、初めて乗る車や車窓からの景色に緊張しているようでした。車は時々揺れるので、揺れるたびに心配になりましたが、無事に家まで着くことができました。
 私の家族は、ホサナをとても喜んで迎えてくれました。家に着いたその日、ホサナの大好きな小松菜が家にないことに気が付いた時にはお店が開いている時間でなく、困っていると、母が「セキセイインコは豆苗も好きみたい。豆苗があるからあげてみましょう」と、母がホサナの食べられるものをすぐに調べてくれました。ホサナは豆苗を喜んで食べました。そして、今では、豆苗もホサナの好物になりました。
 ある朝、私がいつものように、ホサナに「おはよう」と挨拶をしに行くと、宿り木が2本、かごに入っていました。父が「もう少しホサナがたくさん動ける場所があったらいいなと思って枝を探してきたよ」と言いました。よく話を聞いてみると、ホサナが、いつも同じ場所に止まっているのが気になっていたようでした。

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父が足した宿り木を嬉しそうに行ったり来たりするホサナ

 

 一番下の妹は鳥が元々あまり好きではありませんでした。
 初めはなかなかホサナに近づかなかったのですが、私や弟が小松菜をあげているところを見たり、家族での会話の中に必ず出てくるホサナの話題で、少しずつ気になる存在になっているようでした。
 「今、木の枝をくちばしでつついてるよ。お腹が空いているのかな?」
 「すごく大きな声で鳴いているけど、何か言いたいのかな? ちょっと様子を見てくるね。」
 そんな妹が、ある日、私が小松菜をあげているところを後ろから見ていたので「あげてみる?」と言って小松菜を渡すと、恐る恐るホサナに近づいていきました。その小松菜をホサナがシャリシャリと音を立てて食べるのを見て、「いい音して食べるんだね」と嬉しそうに言いました。今では、妹が毎日小松菜をあげるようになりました。初めは近づくことも、見ることも怖がっていましたが、毎日一緒に過ごすうちに、ホサナに癒され、ホサナとの会話を楽しむまでになりました。

ホサナ記事写真②1.jpg
ホサナ記事写真③1.jpg

 私も、毎日ホサナと過ごす中で、今まで見たことがなかったような仕草や鳴き声を聞くと、すぐにその様子をネットで検索し、今、私にできることは何かを考えて過ごしています。
 私が近づいてもホサナが後ずさりをすればそっとしていてほしいこと、片足をあげていると寒いかもしれないこと。また、今は鳴き声が激しく、すごい勢いで噛みつこうとする時があります。調べると、様々な考えがありますが、わかったことは、ホサナも人間と同じように、感情があり、怒ったり、怖がったり、嬉しい時もあったり、様々な気持ちがあります。
 焦らずに、毎日、前向きな言葉を掛け、しつこすぎないようコミュニケーションを取り(笑)、様子をみています。
 私の家族は、学校や職場に行く前に「ホサナ、行ってきます」、帰ってくると「ホサナ、ただいま」と必ず挨拶をします。また、ホサナがどうしたら気持ちよく過ごせるかを家族で話しています。
 ホサナが私たち家族の一員に加わり、毎日が楽しく、癒される夏の日々を送っています。

 相愛幼稚園のみなさん、ホサナは、元気にしていますよ〜。
 9月になったら、また、可愛がってください!

武蔵野相愛幼稚園

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